臨床神経学

短報

進行性の小脳失調と痙性対麻痺で発症したランゲルハンス細胞組織球症の成人例

小別所 博1), 福永 淳2), 三井 茂1), 関口 兼司1), 大石 健一1), 石原 広之1), 苅田 典生1)

1)神戸大学医学部附属病院神経内科〔〒650-0017 神戸市中央区楠町7-5-2〕
2)同 皮膚科

進行性の小脳失調と痙性対麻痺にて発症したランゲルハンス細胞組織球症(LCH)の成人女性例を報告した.初診時頭部MRI T2強調画像にて上中下小脳脚に左右対称性の高信号をみとめ,遅れて小脳および錐体路に左右対称性の高信号をみとめた.これらの病変は造影剤では増強されなかった.経過中尿崩症はみとめず,発症2年後に出現した皮疹の皮膚生検にてLCHと診断した.

(臨床神経, 46:725−728, 2006)
key words:ランゲルハンス細胞組織球症, 小脳失調, 痙性対麻痺

(受付日:2006年4月17日)