臨床神経学

短報

αインターフェロンを使用し,約2年にわたって経過観察した成人発症型亜急性硬化性全脳炎の1例

田島 康敬, 須藤 和昌, 松本 昭久

市立札幌病院神経内科〔〒060-8604 札幌市中央区北11条西13丁目〕

約2年間にわたって経過観察中の成人発症亜急性硬化性全脳炎(SSPE)について,画像所見の変化と発症早期の病理所見もふくめ報告する.初期には軽度の脳萎縮のみであったが,白質の信号変化,皮質の萎縮,血流低下が急速に進行した.病理学的には,血管周囲の炎症性細胞浸潤とCD68陽性細胞の増加をみとめた.

(臨床神経, 45:674−678, 2005)
key words:麻疹ウィルス, 成人発症, 亜急性硬化性全脳炎, MRI, αインターフェロン

(受付日:2004年11月24日)