臨床神経学

短報

群発頭痛からRaeder症候群に進展し副腎皮質ステロイドが著効した1例

池内 健1), 徳武 孝允1), 酒巻 裕一1), 高木 峰夫2), 西澤 正豊1)

1)新潟大学 脳研究所 神経内科〔〒951-8585 新潟市旭町通1〕
2)新潟大学大学院医歯学総合研究科 視覚病態学分野

症例は42歳の男性である.主訴は左眼窩部痛.夜間に頻発する群発頭痛が7カ月持続し,その後に左縮瞳,左三叉神経第一枝領域の感覚異常をみとめた.頭部MRIならびに頸部MRAは正常.点眼試験は交感神経節後性障害に合致する所見を示した.顔面の発汗試験は異常なかった.本例は群発頭痛で初発し,その後Raeder症候群に進展したと考えられた.副腎皮質ステロイドが頭痛発作予防に著効した.本例はRaeder症候群と群発頭痛の連続性を示唆する症例として貴重と思われた.

(臨床神経, 45:321−323, 2005)
key words:Reader症候群, 群発頭痛, 部分Horner症候群, 傍三叉神経交感神経症候群, 副腎皮質ステロイド

(受付日:2004年6月1日)