臨床神経学

症例報告

疼痛とSIADHにて急性発症し2カ月後に筋力低下を指摘されたCIDPの1例

三井 純1), 杉本 泉1), 加納 聡子1), 三方 崇嗣1), 村田 美穂1), 清水 潤1), 宇川 義一1), 藤田 敏郎2), 辻 省次1)

1)東京大学神経内科〔〒113-8655 文京区本郷7-3-1〕
2)同 腎臓・内分泌内科

CIDPの73歳男性例を報告した.腰背部・殿部の自発痛とSIADHにて急性発症した.発症から2カ月後に筋力低下をはじめて指摘され,さらに2週間で進行する経過をたどった.発症時にSIADHを合併した点,発症時と2カ月後で前景に立つ臨床症状がことなる点は特異である.

(臨床神経, 44:438−442, 2004)
key words:急性炎症性脱髄性ポリニューロパチー(AIDP), 慢性炎症性脱髄性ポリニューロパチー(CIDP), 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)

(受付日:2004年2月5日)