臨床神経学

短報

Guillain-Barré症候群の転帰:運動機能評価尺度と生活の変化との対比

永島 隆秀, 西本 幸弘, 平田 幸一, 結城 伸泰

獨協医科大学神経内科〔〒321-0293 栃木県下都賀郡壬生町北小林880〕

発症後5〜65カ月(中央値26カ月)のGuillain-Barré症候群患者98名を対象にアンケート調査をおこない,運動機能尺度をもちいた患者の転帰と社会生活の変化とを比較した.就労者の31%が退職を余儀なくされた.全体の8%の患者が家庭生活で介助を要し,17%が余暇活動の継続を断念した.仕事と余暇活動では,運動機能尺度が改善しているにもかかわらず,病前の生活を取りもどせない症例が多数を占めた.Guillain-Barré症候群は急性期を過ぎても長期間にわたり患者の社会生活に影響をおよぼしていた.罹患後の生活変化を明らかにすることで,患者のリハビリテーション指導や社会復帰に役立つと考えられる.

(臨床神経, 44:50−53, 2004)
key words:Guillain-Barré症候群, 運動機能評価尺度, 予後, 仕事, 余暇活動

(受付日:2003年2月26日)