臨床神経学

第44回日本神経学会総会

シンポジウム8-4:脳梗塞の最新トピックス─基礎と臨床のcross talk─
脳梗塞の遺伝子治療と脳保護療法

阿部 康二

岡山大学大学院神経病態内科学〔〒700-8558 岡山市鹿田町2-5-1〕

脳梗塞の急性期治療は,これまで一定の成果を挙げて来た抗脳浮腫療法や抗トロンビン療法,抗血小板療法,血栓融解療法などに加えて,遺伝子技術や細胞工学技術を駆使した新しい治療法の開発へと大きな変革の時代に入りつつある.脳梗塞の画期的な治療法として,神経栄養因子をもちいた遺伝子治療により従来にない強い脳梗塞縮小効果が確認されつつある.本シンポジウムでは脳梗塞の遺伝子治療と脳保護療法における現状と可能性について発表した.

(臨床神経, 43:894−896, 2003)
key words:脳梗塞, 遺伝子治療, 脳保護療法, 神経栄養因子

(受付日:2003年5月17日)