臨床神経学

症例報告

ヒト免疫グロブリン静注療法が有効であった亜急性外眼筋炎の1例

榎本 雪1), 相澤 仁志1), 小山 聡1), 芳賀 智顕1), 高橋 淳一2), 菊池 健次郎1)

1)旭川医科大学第一内科〔〒078-8510 北海道旭川市緑が丘東2条1丁目1番1号〕
2)同 眼科

外眼筋炎の1例を報告した.ステロイドパルス療法と非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の併用が著効した後の経口ステロイド減量中に,比較的大量投与中であるのにもかかわらず再燃し,ヒト免疫グロブリン大量療法(IV-IG療法)の追加により症状の進行の停止がえられた.IV-IG療法を施行する前は,ほぼ毎月のように再燃をくりかえしていたが,IV-IG療法の施行後は約1年にわたり再燃をみとめていない.本例のように頻回に再発する外眼筋炎に対して,IV-IG療法は再発予防効果を有する治療法である可能性が示唆された.

(臨床神経, 42:154−157, 2002)
key words:外眼筋炎, ヒト免疫グロブリン静注療法, サイトカイン

(受付日:2001年10月24日)