症例報告
髄液に単純ヘルペス2型DNAが証明された背部痛をともなう再発性無菌性髄膜炎(Mollaret髄膜炎)の1例
甲平 一郎, 二宮 庸太郎
高知県立中央病院神経内科〔〒780-0821 高知市桜井町2丁目7番33号〕
症例は59歳女性.43歳時より合計4回の無菌性髄膜炎発作をくりかえした.いずれのエピソードからも対症療法のみで14〜20日間で後遺症なく回復し,いずれのエピソードとも発熱・頭痛・背部痛をともなった.合併する身体疾患や外陰部の異常はみとめなかった.第4回目のエピソードの第3病日髄液よりPCR法にて単純ヘルペス2型DNAが増幅された.次回再発がおきればアシクロビル治療が有用と思われた.
(臨床神経, 42:24−26, 2002)
key words:Mollaret髄膜炎, 再発性無菌性髄膜炎, 背部痛, 単純ヘルペス2型, PCR
(受付日:2001年10月11日)