臨床神経学

第42回日本神経学会総会

〈シンポジウムIV-2〉難治性てんかんの治療をめぐって
小児難治性てんかんの臨床像と治療

黒川 徹

国立療養所西別府病院小児科〔〒874-0838 別府市荘園町6組5〕

難治性てんかんは症候性局在関連てんかんが多く,中でも前頭葉てんかん,若年性発病,発達遅滞をともなうなどが特徴的であった.難治群30例を発作抑制が比較的容易であった対照群110例と比較検討した.治療は先ず発作型に合った薬剤から始めるが,難治群,対照群をふくめ,VPAは特発性全般てんかんの82%,特発性局在関連性てんかんの45%に,CBZは特発性全般てんかんの71%,特発性局在関連性てんかんの67%に有効であった.無効で難治のばあいは発作型にこだわることなく新薬あるいは従来の薬剤を試みた.このばあい難治群の局在関連てんかん15例においては発作完全抑制率はCZP 10%,CLB 17%であり,症候性全般てんかん13例においては,VPA,NZP,ZNSが各々9%,12%,20%であった.

(臨床神経, 41:1091−1093, 2001)
key words:難治性てんかん, 症候性てんかん, 局在関連性てんかん, 前頭葉てんかん, クロバザム

(受付日:2001年5月12日)