臨床神経学

原著

ヒトパレコウイルス3型感染に伴う成人の流行性筋痛症17例の検討

山川 達志1)*, 水田 克巳2), 黒川 克朗1), 永沢 光1), 山田 尚弘3), 鈴木 恵美子4), 和田 学1)

Corresponding author: 山形県立中央病院神経内科〔〒990-2292 山形市大字青柳1800番地〕
1)山形県立中央病院神経内科
2)山形県衛生研究所微生物部
3)山形県立救命救急センター救急科
4)山形県立中央病院小児科

2008,2011,2014,2016年夏季に経験したヒトパレコウイルス3型感染に伴う成人の筋痛症17症例(男性14例,女性3例)について検討した.年齢は21歳から50歳.全例,四肢に強度の筋痛,筋力低下,握力低下を認めた.14例(82%)に発熱,8例(47%)に上気道炎症状,4例(24%)に胃腸炎症状,男性4例(男性の29%)に陰部痛を認めた.血清CKが1例を除き上昇していた.骨格筋MRIは5例中2例に大腿筋に異常信号を認めた.神経伝導検査は9例中5例でF波の誘発が不良だった.7例で同時期に家族内の乳幼児に発熱,感冒様症状があり家族内感染が疑われた.全例1〜2週間で軽快した.
Full Text of this Article in Japanese PDF (1020K)

(臨床神経, 57:485−491, 2017)
key words:ヒトパレコウイルス3型,流行性筋痛,ヒトパレコウイルス3型関連筋痛症/ 筋炎,HPeV3-M,筋炎

(受付日:2017年3月21日)