臨床神経学

総説

パーキンソン病の診断と治療の新たな展開

織茂 智之1)*

Corresponding author: 公立学校共済組合関東中央病院神経内科〔〒158-8531 東京都世田谷区上用賀3-24-13〕
1)公立学校共済組合関東中央病院神経内科

パーキンソン病(Parkinson’s disease; PD)の新しい診断法と治療について解説した.画像では,神経メラニン画像,meta-iodobenzylguanidine(MIBG)心筋シンチグラフィ,ドパミントランスポーターシンチグラフィ,経頭蓋黒質超音波検査,重要な非運動症状の嗅覚低下やレム睡眠行動異常症,Movement Disorder Society(MDS)から発表された新しいPDの臨床診断基準について解説した.新たな治療としては,最近上市された抗PD薬と治験中の薬剤の紹介,PDの薬物治療として早期治療の意義と初期治療の実際,進行期の薬物治療として持続的ドパミン刺激療法の意義と治療法の実際,手術療法として主に脳深部刺激療法,新たな治療法として遺伝子治療と細胞移植治療を紹介した.
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(臨床神経, 57:259−273, 2017)
key words:MIBG 心筋シンチグラフィ,ドパミントランスポーターシンチグラフィ,嗅覚,レム睡眠行動異常症,持続的ドパミン受容体刺激

(受付日:2016年10月8日)