臨床神経学

原著

筋萎縮性側索硬化症早期診断のための舌における針筋電図検査と超音波検査の併用の有用性について

城戸 美和子1), 藤ア なつみ1), 宮城 哲哉1), 石原 聡1), 中地 亮1), 諏訪園 秀吾1)2)*

Corresponding author: 独立行政法人国立病院機構沖縄病院脳・神経・筋疾患研究センター〔〒901-2214 沖縄県宜野湾市我如古3丁目20番地14号〕
1)独立行政法人国立病院機構沖縄病院神経内科
2)独立行政法人国立病院機構沖縄病院脳・神経・筋疾患研究センター

舌における針筋電図検査(electromyography; EMG)と超音波検査(ultrasonography; US)を施行した当科入院連続20例の筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis; ALS)において,両検査結果と臨床症状を後ろ向きに検討した.EMG・US・視診にてfasciculationあるいはfibrillation potentials/positive sharp waveの異常が検出されたのは,それぞれEMG12例,US6例,視診9例であった.EMGがUSより先行して異常所見を捉えたのは12例中7例,USがEMGより先行して異常所見を捉えたのは1例であった.以上よりEMGをUSで代替することは,少なくとも当院の現在の方法論においては困難であり,併用が有用であると考えられた.
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(臨床神経, 57:681−684, 2017)
key words:ALS,舌,針筋電図検査,超音波検査,早期診断

(受付日:2016年12月27日)