臨床神経学

総説

睡眠に関連する運動・行動異常

立花 直子1)2)*

Corresponding author: 関西電力病院神経内科・睡眠関連疾患センター〔〒553-0003 大阪市福島区福島2-1-7〕
1)関西電力医学研究所睡眠医学研究部
2)関西電力病院神経内科・睡眠関連疾患センター

睡眠中もしくは睡眠と覚醒の移行期に生じる運動・行動異常には種々のものが知られているが,歴史的には研究ベースで取り扱われてきており,神経内科医にとってなじみのないものが多い.加えて,これらの疾患や病態は診察場面では何ら症状がないため,常時監視睡眠ポリグラフィ(attended polysomnography(PSG))を実施後初めてその内容が明らかになることもある.日本では容易にattended PSGにアクセスできないという不利な状況にあるが,いくつかの睡眠に関連する運動・行動異常については,神経内科医が知っておくべきであり,問診が重要となる.本稿では,診断のコツとともに臨床場面でどのように対応していくべきかについてまとめた.
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(臨床神経, 56:541−549, 2016)
key words:睡眠関連疾患,レム睡眠行動異常症,下肢静止不能症候群,睡眠時周期性下肢運動,睡眠ポリグラフ検査

(受付日:2016年2月12日)