臨床神経学

短報

脊髄サルコイドーシスに症候性筋サルコイドーシスを合併した1例
67Gaシンチグラフィーを用いた活動性の把握―

山田 晋一郎1), 中西 浩隆1), 平山 正昭1), 勝野 雅央1), 祖父江 元1)*

Corresponding author: 名古屋大学大学院医学系研究科神経内科〔〒466-8550 名古屋市昭和区鶴舞町65番地〕
1)名古屋大学大学院医学系研究科神経内科

70歳女性.主訴は右上下肢疼痛,歩行障害.頸部以下の左半身表在覚低下と右半身の筋力低下,腱反射亢進を認めた.67Gaシンチグラフィーで頸髄や四肢の筋および縦隔リンパ節に異常集積がみられ,超音波気管支鏡ガイド下縦隔リンパ節穿刺吸引にて非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めたことから,脊髄/筋サルコイドーシスと診断した.ステロイド治療により,神経学的所見や画像,とくに67Gaシンチグラフィーにおける全身の異常集積像が改善した.67Gaシンチグラフィーは診断のみならず,全身における諸病変の病勢を総合的に把握できることから,特に筋病変合併症例では経過追跡や治療の効果判定に有用である.
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(臨床神経, 55:665−668, 2015)
key words:神経サルコイドーシス,脊髄サルコイドーシス,筋サルコイドーシス,67Gaシンチグラフィー,治療効果指標

(受付日:2015年3月5日)