臨床神経学

短報

陰部むずむず感で発症したパーキンソン病の1例

澤村 正典1), 當間 圭一郎1), 垂髪 祐樹1), 関谷 智子1), 西中 和人1), 宇高 不可思1)*

Corresponding author: 住友病院神経内科〔〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島5-3-20〕
1)住友病院神経内科

症例は62歳女性.2010年に陰部むずむず感が生じた.2013年より歩行障害・易転倒性が進行し,パーキンソン病(Parkinson’s disease; PD)と診断した.クロナゼパム,プラミペキソールにより陰部むずむず感は改善した.Persistent genital arousal disorder(PGAD)は性的欲求とは無関係に陰部感覚の高ぶりや苦痛を生じる病態であり,レストレスレッグ症候群(restless legs syndrome; RLS)を高頻度に合併し,クロナゼパムが有効である.そのためRLSと共通の病態が想定され,restless genital syndrome(RGS)という概念が提唱されている.本例はPGAD/RGSで発症したPDのはじめての報告である.
Full Text of this Article in Japanese PDF (305K)

(臨床神経, 55:266−268, 2015)
key words:レストレスレッグ症候群,パーキンソン病,restless genital syndrome,persistent genital arousal disorder,プラミペキソール

(受付日:2014年6月26日)