臨床神経学

短報

パーキンソン病の姿勢異常と歩行機能との関連

眞野 智生1)2)*, 仁紫 了爾1), 小林 洋介1), 松尾 幸治1), 小林 靖1), 筧 昭夫3)

Corresponding author: 岡崎市民病院脳神経内科〔〒444-8553 岡崎市高隆寺町字五所合3番地1〕
1)岡崎市民病院脳神経内科
2)名古屋大学大学院神経内科
3)岡崎市民病院リハビリテーション科

パーキンソン病(Parkinson's disease; PD)患者40名(男26,女14;年齢70.4 ± 7.6歳)と健常者17名を対象とし,歩行機能をMDS-UPDRS,Timed up & go test,5 feet walk test,6 minutes-walk testにて測定し,姿勢異常をスマートフォンのアプリケーションをもちいて前傾姿勢(FF)と側屈姿勢(LF)に分けて測定した.PD患者は健常者にくらべ,歩行機能の低下と姿勢角度の拡大をみとめた.FFと年齢,LFと経過年数は単変量解析にて相関関係をみとめ,LFはすくみ足の重症度とも関連した.しかし,多変量解析では,すくみ足への姿勢角度の関与はFFとLFの両者ともに示されなかった.
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(臨床神経, 55:259−262, 2015)
key words:パーキンソン病,歩行障害,姿勢異常,スマートフォン,バイオマーカー

(受付日:2014年3月11日)