短報
Dyskinesia-hyperpyrexia syndromeを合併したパーキンソン病の1例
田口 宗太郎1）, 丹羽 淳一1）, 衣斐 達1）, 道勇 学1）＊
＊Corresponding author: 愛知医科大学神経内科〔〒480-1195 愛知県長久手市岩作雁又1番地1〕
1）愛知医科大学神経内科
症例は70歳の女性である．13年前にパーキンソン病（Parkinson's disease; PD）を発症，L-Dopa合剤，塩酸セレギリン，プラミペキソールを内服していた．プラミペキソールを等価量で徐放化した1ヵ月後に高熱をともない四肢のジスキネジアと幻視が出現した．全身の発汗が亢進し，見当識障害をともなっていたが，脳神経と感覚系に異常なく，筋強剛もなかった．血液検査では白血球増多と血清CK高値をみとめた．以上よりdyskinesia-hyperpyrexia syndromeと診断，抗PD薬を減量したところ病状は改善した．本例は，PDの進行期において神経終末ドパミン濃度の変動性に留意した抗PD薬用量調整の重要性を示唆するものと考えられた．
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(臨床神経, 55：182−184, 2015)
key words：dyskinesia-hyperpyrexia syndrome，parkinsonism-hyperpyrexia syndrome，ジスキネジア，パーキンソン病，neuroleptic malignant-like syndrome
（受付日：2014年5月29日）
