臨床神経学

短報

好酸球性筋炎に心筋炎,心原性脳塞栓症を合併した1例

間所 佑太1)*, 加藤 秀紀1), 湯浅 浩之1), 大高 直也2), 森 佳子3), 三竹 重久1)

Corresponding author: 公立陶生病院神経内科〔〒489-8642 愛知県瀬戸市西追分町160番地〕
1)公立陶生病院神経内科
2)公立陶生病院循環器科
3)公立陶生病院腎膠原病内科

症例は72歳の男性である.筋肉痛・筋力低下を主訴とし,著明な好酸球増多,筋原性酵素の上昇および筋生検にて好酸球性筋炎と診断した.経過中,一過性の心電図異常をともなう左室壁運動異常と壁肥厚が指摘され,好酸球性心筋炎の併発と診断した.更に,注目すべき病態として心原性脳塞栓症を合併した.好酸球性筋炎は多彩な合併症をきたすことが知られている.好酸球性筋炎をうたがう例では迅速な心筋炎の検索とともに,脳塞栓症予防のための抗凝固療法の選択が肝要と考えられた.
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(臨床神経, 55:45−48, 2015)
key words:好酸球性筋炎,好酸球性心筋炎,心原性脳塞栓症,好酸球増多症

(受付日:2014年2月18日)