臨床神経学

委員会報告

神経内科教育の実態と課題:医学部

谷脇 考恭1)*, 犬塚 貴2), 吉井 文均3), 青木 正志4), 天野 隆弘5), 豊島 至6), 福武 敏夫7), 橋本 洋一郎8), 吉良 潤一9)

Corresponding author: 久留米大学医学部内科学講座呼吸器・神経・膠原病内科部門〔〒830-0011 福岡県久留米市旭町67番地〕
1)久留米大学医学部内科学講座呼吸器・神経・膠原病内科部門
2)岐阜大学神経内科
3)東海大学神経内科
4)東北大学神経内科
5)山王メディカルセンター神経内科
6)あきた病院神経内科
7)亀田メディカルセンター神経内科
8)熊本市民病院神経内科
9)九州大学大学院医学研究院神経内科学

日本神経学会卒前・初期臨床研修教育小委員会では,全国80の医系大学の神経内科教育担当者を対象に,卒前・卒後教育の教育ニーズに関するアンケート調査をおこなった.回収率は82.5%.卒前教育では講義で使用している教科書がある大学は22.7%にすぎず,神経学会で標準化された教材を作成したばあい,使用すると回答した施設は78.8%あった.卒後教育(後期研修医)の研修プログラムは90.9%の施設で,神経学会が定めたミニマムリクアイアメントに準拠していた.しかし自大学(施設)内だけで達成されているのは66.7%に過ぎず,77.3%の大学が,プログラム充実のための支援を神経学会に望んでいた.
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(臨床神経, 54:335−340, 2014)
key words:卒前医学教育,卒後医学教育,教育ニーズ

(受付日:2013年10月17日)