臨床神経学

<公募Symposium 05-2> 認知症根本治療の実現へ向けて

創薬の推進に資する分子イメージング研究

島田 斉1)

1)放射線医学総合研究所分子イメージング研究センター分子神経イメージング研究プログラム〔〒263-8555 千葉県千葉市稲毛区穴川4-9-1〕

認知症根本治療薬の開発においては,@客観的診断法の確立,A背景病理の解明とそれに基づく治療標的の選択,B神経障害進行と治療効果の客観的評価系の確立,などが重要である.認知症病態に関与するβアミロイド蓄積やタウ蛋白病変などの病理変化は,創薬分野における標的分子となっているが,近年これらの脳病理変化を可視化する技術が登場し,その有用性が示されてきている.今後,分子イメージング技術による薬効評価系が確立し,認知症の根本治療薬の開発を進める基盤が整備されると期待される.本発表では,最近の認知症イメージング研究の成果について概説し,認知症根本治療薬の開発という創薬分野への応用可能性について考察する.
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(臨床神経, 54:1174−1177, 2014)
key words:認知症,創薬,陽電子放射断層撮像,アミロイドイメージング,タウイメージング

(受付日:2014年5月21日)