臨床神経学

<Symposium 30-2> 筋炎の病態研究の最近の進歩

皮膚筋炎特異抗体の最近の知見

藤本 学1)

1)筑波大学医学医療系皮膚科〔〒305-8575 茨城県つくば市天王台1-1-1〕

皮膚筋炎では,これまで知られていた抗アミノアシルtRNA合成酵素抗体,抗Mi-2抗体に加えて,近年,抗melanoma differentiation antigen 5抗体,抗transcriptional intermediary factor 1抗体,抗nuclear matrix protein 2抗体などが報告され,その臨床的特徴が明らかになってきた.皮膚筋炎の約80%にいずれかの特異抗体が陽性になることから,本症の診断に有用なツールとなる.さらに,これらの抗体は,合併症や予後の予測や治療方針の決定,疾患活動性の判定にも有用であると考えられる.
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(臨床神経, 54:1110−1112, 2014)
key words:皮膚筋炎,筋炎特異抗体,悪性腫瘍,間質性肺病変

(受付日:2014年5月24日)