症例報告
関節リウマチとサルコイドーシスに重症筋無力症が合併した1例
澤田 潤1）2）＊, 浅野目 明日香1）, 遠藤 寿子1）, 齋藤 司1）, 片山 隆行1）, 長谷部 直幸1）
＊Corresponding author: 旭川医科大学神経内科〔〒078-8510 旭川市緑が丘東2条1丁目1番1号〕
1）旭川医科大学神経内科
2）名寄市立総合病院神経内科
症例は72歳女性である．65歳時に関節リウマチと診断された．67歳時に腹部や鼠径部のリンパ節腫大が出現し，リンパ節生検によりサルコイドーシスと診断された．69歳時より関節リウマチに対してエタネルセプトの投与が開始された．72歳時に両側眼瞼下垂が出現し受診．神経学的に左側優位に眼瞼下垂をみとめ，夕方に増強をみとめた．テンシロン試験は陽性で抗アセチルコリンレセプター抗体も陽性であったことから，重症筋無力症と診断した．関節リウマチとサルコイドーシスに重症筋無力症が合併した症例は検索しえた範囲でなく，貴重な症例と考えられた．重症筋無力症の発症にエタネルセプトが関与した可能性がある．
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(臨床神経, 53：351−355, 2013)
key words：重症筋無力症，関節リウマチ，サルコイドーシス，エタネルセプト
（受付日：2012年7月10日）
