臨床神経学

<シンポジウム(4)―16―1>パーキンソン病(PD)の自律神経障害〜全身とのクロストーク

パーキンソン病(PD)の循環系予備能と運動処方の実際

平山 正昭1)2), 中村 友彦2), 祖父江 元2)

1)名古屋大学大学院医学系研究科医療技術学専攻〔〒461-8673 愛知県名古屋市東区大幸南1丁目1-20〕
2)名古屋大学大学院医学系研究科神経内科学

PDは,錐体外路疾患としてだけでなく数々の非運動症状をともなう広範な病変を持った疾患である.とくに,心循環器系に関しては,早期からMIBGの異常がみられることが知られている.起立性低血圧などもパーキンソン病の早期の症状としてみられる.さらに,心臓のβ1刺激薬による脱過敏をみとめ,運動時に心拍出量の増加に乏しく循環予備能の低下を招いている.このため疲労感との関連が高く,心交感神経が異常であるほど疲労感が強い.そのため,リハビリは過剰な運動処方は行えず,体幹機能の向上や音楽療法などの軽微な運動が適していると考えられる.
Full Text of this Article in Japanese PDF (734K)

(臨床神経, 53:1376−1378, 2013)
key words:運動予備能,MIBG,疲労感,心交感神経,運動療法

(受付日:2013年6月1日)