臨床神経学

<シンポジウム(4)―15―4>救急場面における神経内科医のプレゼンス

神経内科医の脳卒中救急へのかかわり

豊田 一則1)

1)国立循環器病研究センター脳血管内科〔〒565-8565 大阪府吹田市藤白台5丁目7-1〕

国民病である脳卒中診療の整備のために,脳卒中診療に携わる医療者を増やすことが急務である.rt-PA静注療法の国内承認は多くの神経内科医が脳卒中征圧に意欲的にかかわる転換点となったが,脳卒中救急患者の大半が内科治療のみを必要とする現実から考えると,神経内科医の脳卒中診療への関与は依然として少ない.脳卒中救急血管内治療の領域でも,内科医の参入は少ない.神経内科は,救急医療から神経難病まで対象領域の裾野が広い.その多様性を尊重しながら,全国の神経内科学教室,病院神経内科で,国民の需要に見合った数の脳卒中診療医を恒常的に養成することが望まれる.
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(臨床神経, 53:1370−1372, 2013)
key words:脳卒中,救急医療,脳梗塞,rt-PA静注療法,脳神経血管内治療

(受付日:2013年6月1日)