臨床神経学

<シンポジウム(4)―13―2>日本神経学会編纂診療ガイドラインの現況と将来展望

パーキンソン病診療ガイドラインの編纂方針と問題点

高橋 良輔1)

1)京都大学医学研究科臨床神経学〔〒606-8507 京都府京都市左京区聖護院川原町54〕

日本神経学会パーキンソン病治療ガイドライン2011の本体部分である第2編「クリニカル・クエスチョン」の作成は「Minds診療ガイドライン作成の手引き2007」にしたがい,厳密なEBMの方法論によっておこなわれた.これは臨床疑問(クリニカル・クエスチョン)に対して,系統的な方法でエビデンスを検索し,それに基づいて推奨を決定するものであった.また,本ガイドラインは初版にあった治療法の系統的レビューの部分も第一編「抗パーキンソン病薬と手術療法の有効性と安全性」として継続しているのが特徴となっている.アルゴリズムの扱い,医療の費用対効果の取り扱い,さらにガイドラインの社会への影響への考慮などが今後の課題である.
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(臨床神経, 53:1343−1345, 2013)
key words:EBM,臨床疑問,エビデンス,アルゴリズム,費用対効果

(受付日:2013年6月1日)