臨床神経学

<シンポジウム(4)―11―5>GBS/CIDPをめぐる最新の話題

Autoimmune autonomic ganglionopathyとacute autonomic and sensory neuropathy

小池 春樹1), 祖父江 元1)

1)名古屋大学神経内科〔〒466-8550 愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65〕

ギランバレー症候群様の急性または亜急性の経過で自律神経障害が出現し,症状が完成するニューロパチーは,感覚障害と筋力低下の合併の程度によって,主に,1.自律神経障害のみを呈するタイプ,2.感覚障害を合併するタイプ,3.感覚障害と運動障害を合併するタイプに分けられる.このうち1のタイプは,血清中の抗ganglionic acetylcholine receptor抗体が陽性となるばあいがあることが明らかになり,免疫性の機序が関与し,病変の主座が自律神経節にあると推測されることから,自己免疫性自律神経節障害(autoimmune autonomic ganglionopathy;AAG)という呼称がもちいられるようになってきている.一方,2のタイプは,急性の経過で重度の自律神経障害をきたすばあいが多く,急性自律性感覚性ニューロパチー(acute autonomic and sensory neuropathy;AASN)と呼ばれている.多くの例で先行感染をみとめ,剖検例では自律神経節と感覚神経節の神経細胞脱落がみられることから,AASNも免疫性の機序が関与した神経節障害と推測されている.
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(臨床神経, 53:1326−1329, 2013)
key words:急性自律性感覚性ニューロパチー,自律神経ニューロパチー,ギランバレー症候群,自己免疫性自律神経節障害

(受付日:2013年6月1日)