臨床神経学

<シンポジウム(4)―10―4>MG治療の現状を知り,今後を考える

重症筋無力症治療におけるカルシニューリンインヒビターとIVIgの役割

中根 俊成1)2)

1)長崎川棚医療センター臨床研究部〔〒859-3615 長崎県東彼杵郡川棚町下組郷2005-1〕
2)長崎川棚医療センター・西九州脳神経センター神経内科

今回われわれはJapan MG registryで集積した676例のデータを基に,カルシニューリンインヒビター(CNIs)と免疫グロブリン大量静注療法(IVIg)の使用状況,効果等を解析した.CNIsは約半数のMG症例においてもちいられており,その治療効果および経口プレドニゾロンの減量に有効であることを確認した.今後は両者の使い分けについてさらに解析を進める必要がある.IVIgはより重症・難治例で使用されていることが多い.IVIgの有効性はすでにみとめられているものの,施行の際のresponder/non-responderの予測など検証すべき事項は多く,本邦においてさらに症例の集積,解析をおこなうべきであろう.
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(臨床神経, 53:1309−1311, 2013)
key words:重症筋無力症,カルシニューリンインヒビター,免疫グロブリン大量静注療法

(受付日:2013年6月1日)