臨床神経学

<シンポジウム(4)―6―2>脳卒中のリハビリ:回復期6か月の壁をこわす新しい治療戦略

ボツリヌス療法とリハビリテーションの実践

正門 由久1)

1)東海大学医学部リハビリテーション科〔〒259-1193 神奈川県伊勢原市下糟屋143〕

ボツリヌス療法が痙縮に認可され,症候軽減,介助負担軽減,さらに機能改善をもたらす可能性がある.痙縮を軽減することで,異常に活動が押さえられていた拮抗筋を促通することが可能となる.一方痙縮していた筋には伸張することが必要である.また温熱療法などと装具療法等と併用することがより効果的である.ボツリヌス,リハビリとともに反復磁気刺激,電気刺激などを個々の患者の状態に応じて使いわけ,慢性期の脳卒中患者でも機能改善が得られる可能性がある.痙縮に対するボツリヌス治療をうける患者ではリハビリが果たす役割は大変大きい.一方,ボツリヌス療法は今後のリハビリ治療の中で重要な位置を占め,さらにその進め方を変える.
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(臨床神経, 53:1261−1263, 2013)
key words:痙縮,ボツリヌス,リハビリテーション,伸張,機能改善

(受付日:2013年6月1日)