臨床神経学

<シンポジウム(3)―3―3>脳梗塞急性期治療の最前線

脳卒中の脳血管内治療の最前線

山上 宏1), 坂井 信幸2)

1)国立循環器病研究センター脳神経内科〔〒565-8565 大阪府吹田市藤白台5丁目7-1〕
2)神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科,総合脳卒中センター

脳主幹動脈閉塞による急性期脳梗塞において,rt-PA静注療法が禁忌もしくは無効なばあいに血管内治療の有効性が期待されている.血管内治療の方法として,ウロキナーゼなどをもちいた局所線溶療法,MerciリトリーバーやPenumbraシステムによる機械的血栓回収療法などがある.2013年に発表されたIMS3,SYNTHESIS,MR RESCUEの3つの試験では,血管内治療の従来治療に対する優越性が示されなかったが,これらの試験結果から多くの問題点が提議されている.今後,血管内治療の有効性を示すためには,適切な症例の選択,より再開通率の高いデバイスと,再開通までの時間短縮がとくに重要と考えられる.
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(臨床神経, 53:1166−1168, 2013)
key words:急性期脳梗塞,血管内治療,再灌流療法,血栓溶解療法

(受付日:2013年5月31日)