臨床神経学

<シンポジウム(2)―5―4>神経疾患におけるMR 撮像法の最先端

てんかん,頭痛

麻生 俊彦1)

1)京都大学医学研究科脳機能総合研究センター〔〒606-8507 京都府京都市左京区聖護院川原町54〕

てんかんと片頭痛では,発作時の現象をin vivoでとらえることが病態の解明に寄与すると思われる.てんかんでは脳波とBOLD信号を関連づけるEEG-fMRI検査の研究が活発におこなわれている.しかし脳波で異常が捉えられないこともあり,近年,fMRIのみでそうした脳活動を検出する試みがある.活用が広まっている安静時fMRIの解析手法が応用できる.片頭痛では脳血流が変動することが知られていたが,これもfMRIによって詳細な情報がえられるようになった.しかし血流調節自体にも異常がおこっているとの知見から,それが血管に由来するのか,神経なのか,判然としない部分がある.血流よりも神経活動に近い現象をとらえるfMRI手法の開発によって理解が進む可能性がある.
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(臨床神経, 53:1097−1099, 2013)
key words:核磁気共鳴画像法,てんかん,片頭痛,機能的MRI

(受付日:2013年5月30日)