臨床神経学

短報

首下がりで発症した抗SRP抗体陽性壊死性ミオパチーの1例

櫛村 由紀恵1)*, 滋賀 健介1), 向井 麻央1), 吉田 誠克1), 水野 敏樹1), 中川 正法1)

Corresponding author: 京都府立医科大学神経内科〔〒602-8566 京都市上京区河原町通広小路上ル梶井町465〕
1)京都府立医科大学神経内科

症例は87歳女性である.首下がりで発症し,その後近位筋筋力低下が亜急性に進行した.CK 2,708 IU/lと高値,免疫沈降法で抗SRP抗体陽性.骨格筋CTで頸部屈筋群・傍脊柱筋優位の筋萎縮と脂肪変性を呈した.筋病理で散在性の筋線維壊死とmyophagiaをみとめ,CD68陽性細胞が主体であったことから,抗SRP抗体陽性の壊死性ミオパチーと診断した.抗SRP抗体陽性ミオパチーの中に,頸部伸筋優位に障害され首下がりが生じる症例があると考え,報告した.
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(臨床神経, 53:41−45, 2013)
key words:壊死性ミオパチー,抗SRP抗体,首下がり,頸部伸筋

(受付日:2012年4月15日)