臨床神経学

<シンポジウム(1)―9―2>小脳症状とは何か

小脳内部時計の神経機構と機能的役割

山ア 匡

電気通信大学大学院情報理工学研究科情報・通信工学専攻〔〒182―8585 東京都調布市調布ヶ丘1―5―1〕

タイミング制御はゲイン制御と並ぶ運動制御の双子であり,タイミング制御が損なわれると様々な運動障害が現れる.小脳は数十ミリ秒〜数百ミリ秒の時間スケールのタイミング制御を司っており,かつ同じ時間スケールでの時間認知課題にも関与している.そのためには何らかの方法で小脳内で時間経過が表現されていると考えられる.本稿では小脳のタイミング制御の神経機構について解説する.
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(臨床神経, 52:990−993, 2012)
key words:タイミング制御,時間認知,インターバルタイマー,瞬目反射の条件付け,顆粒細胞

(受付日:2012年5月23日)