臨床神経学

総説

非失語性失読および失書の局在診断

櫻井 靖久

Corresponding author: 三井記念病院神経内科〔〒101―8643 千代田区神田和泉町1〕
三井記念病院神経内科

非失語性の失読および失書の病巣局在を呈示し,これに基づいて新たな失読および失書の分類を提唱する.この中で新たな局在病変による失読・失書として,後頭葉後部(後部紡錘状回・下後頭回)病変による仮名の純粋失読(より一般的には文字の純粋失読),中側頭回後部病変および限局性角回病変による漢字の純粋失書をあげてある.さらに,失行性失書,前頭葉性純粋失書,視床性失書などについても,病巣の局在を論じる.
Full Text of this Article in Japanese PDF (481K)

(臨床神経, 51:567−575, 2011)
key words:純粋失読,失読失書,純粋失書,紡錘状回,角回

(受付日:2011年5月24日)