臨床神経学

短報

筋萎縮性側索硬化症患者における介護負担とQOLの検討

中川 悠子, 魚住 武則, 辻 貞俊

Corresponding author:産業医科大学神経内科〔〒807-8555 福岡県北九州市八幡西区医生ケ丘1-1〕産業医科大学神経内科

筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis;ALS)患者と介護者20名を対象に,ALS Functional Rating Scale(ALSFRS)高得点群と,ALSFRS低得点群の二群に分け,介護者の介護負担とQOLが患者の機能障害度と関連があるか検討した.ALSFRS高得点群では機能障害の進行にともない介護負担が増大していたが,低得点群では相関はなかった.またALSFRS高得点群の方が有意に心の健康面が障害されていた.比較的早期のALS患者の介護者に対し,機能障害の進行にともなう介護負担の増加を防ぎ心の健康面のケアをおこなう必要がある.
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(臨床神経, 50:412−414, 2010)
key words:筋萎縮性側索硬化症, QOL, 介護負担

(受付日:2009年12月7日)