臨床神経学

症例報告

ダプソンの併用により副腎皮質ステロイド薬の減量が可能になった神経Sweet病の1例

柴田 憲一, 立石 貴久, 山崎 亮, 大八木 保政, 吉良 潤一

Corresponding author:九州大学大学院医学研究院神経内科学〔〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1〕九州大学大学院医学研究院神経内科学

症例は40歳男性である.2001年から髄膜炎をくりかえし,2005年から紅斑をみとめ,皮膚病理所見とHLA B54/Cw1陽性から神経Sweet病と診断した.今回,発熱,口腔内アフタ多発のため入院した.神経学的には四肢腱反射亢進,両側病的反射,髄膜刺激症状をみとめた.髄液細胞数増多と皮膚生検にて真皮に好中球浸潤をみとめたため,神経Sweet病の再発と診断した.ステロイドパルス療法とプレドニゾロン内服を開始し,症状,検査所見ともに改善したが,プレドニゾロン漸減で再発をくりかえした.そのため好中球活性を抑制するダプソンを追加したところ,症状,検査所見ともに改善した.ステロイドでコントロール困難な神経Sweet病に対してダプソンが有効と考えられた.
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(臨床神経, 50:257−261, 2010)
key words:神経Sweet病, 好中球, 副腎皮質ステロイド薬, ダプソン, コルヒチン

(受付日:2009年12月14日)