第50回日本神経学会総会
<招待講演2>
NeuronとGliaの突起を追って50年
平野 朝雄
Division of Neuropathology, Montefiore Medical Center [111 East 210th Street, Bronx, New York 10467-2490, USA]
Neuronとgliaは,よく発達した突起をもち,細胞間を連絡する特別な構造があります.Neuronは円柱状の突起を伸ばしてsynapsesを形成し,それに対し,gliaの突起の末端は布状の大きな広がりを形成します.Oligodendrogliaの突起はaxonの周りにシャベル状の髄鞘板を形成するのに対し,astrocyteの突起は中枢神経系を包み,外部組織から隔離し,中枢神経系実質内の血管周囲を取りかこみます.更に,neuronのsomaおよびdendritesを包み,無数のsynapsesと接しています.こうした解剖学的所見は,電子顕微鏡で詳細に観察することができます.私はこの半世紀にわたり神経病理学に携わってきました.そして,そのあいだに,neuronとgliaの突起にみられるいろいろな思いがけぬ興味ある所見に驚かされてきました.その中でとくに強く印象を受けたエピソードを記載します.
Full Text of this Article in Japanese PDF (321K)
(臨床神経, 49:719−723, 2009)
key words:astrocyte, glia, myelin, neuron, oligodendroglia
(受付日:2009年5月22日)