学会誌「臨床神経学」
目次へ戻る 第46巻第6号目次

─ 短報 ─

顔面の舞踏運動と片側舞踏運動で発症した,大脳皮質および皮質下白質の心原性脳塞栓症の1例

杉浦 明, 藤本 正也

磐田市立総合病院神経内科〔〒438-8550 静岡県磐田市大久保512-3〕
現 独立行政法人国立病院機構 静岡てんかん神経医療センター〔〒420-8688 静岡県静岡市葵区漆山886〕

症例は62歳男性である.突然両側顔面の舞踏運動と左片側舞踏運動が出現し,入院した.片麻痺や感覚障害はみとめず.頭部MRIでは,右島,前頭葉,側頭葉,頭頂葉の皮質および皮質下白質に多発性の急性期脳梗塞をみとめた.舞踏運動に対し,塩酸チアプリドを投与した.舞踏運動は入院翌日に消失した.発作性心房細動をみとめたことから,心原性脳塞栓症と診断した.舞踏運動の発症機序として,大脳皮質から線状体や視床下核へいたる興奮性出力が脳梗塞によって遮断されたことを考えた.片側舞踏運動が突然発症するばあいには,反対側の大脳皮質および皮質下白質の脳梗塞も考慮する必要がある.
(臨床神経, 46:415−417, 2006)
key words:大脳皮質, 皮質下白質, 脳梗塞, 片側舞踏運動, 心原性脳塞栓症

(受付日:2005年11月9日)

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